「アセスメント」には、評価や査定といった意味がありますが、看護における「アセスメント」について、看護過程という観点から考えてみましょう。まず、看護過程とは「患者さんの問題を解決するために用いる技法」を指します。そして、この看護過程には、5つのプロセス(アセスメント、診断、計画、介入、評価)があります。まず、第一段階に位置づけられているものが「アセスメント」です。この場合のアセスメントとは、患者さんの情報を収集し、それを分析した上で、患者さんの状態を評価することを指します。それをもとに問題を明確化する(診断)、問題解決のための目標設定や実施計画の策定を行う(計画)、計画に基づき看護ケアを実施する(介入)、その結果を評価する(評価)といった流れが看護過程の全体像になります。
このように「アセスメント」は、看護過程の良し悪しを決める重要なプロセスになります。では、看護師の「アセスメント」にとって大切なポイントは何でしょうか。それは、何よりもまず「患者さんをよく観察すること」「正確な情報を収集すること」です。情報には、痛みや違和感を訴えるなどの主観的情報と、バイタルサインや検査結果などのデータを基にした客観的情報の2つがあります。看護師が正確に情報を収集し、その情報を分析した上で、課題を把握し、客観的に評価することで、感染症や疾患などの初期症状を早期に発見し、病状の進行を防ぐことにつながります。